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目の下のほっぺたにある、最も大きな副鼻腔が上顎洞です。これは正常であれば空気の入った空洞で、鼻腔とは上顎洞の上方にある穴とでつながっています。すなわち上顎洞はジュースのビンのような構造で、洞内で炎症が起これば、細菌や分泌物は地球の重力では排出されません。粘膜にある線毛というたくさんの毛がこれらを少しずつ上方へ押し出さなければならないのです。小児副鼻腔炎で紹介した薬(マクロライド)による治療に長期間を要するのはこのためです。
上顎洞洗浄とは、鼻の穴から上顎洞に針を刺して温水で洗浄し、その後抗生物質を上顎洞内に直接投与することです。一旦上顎洞内をきれいにすることで早く治癒させることができ、洞内の貯留物質を採取することで、カビなどの特殊な上顎洞炎や悪性疾患を鑑別することができる場合もあります。 上顎洞洗浄は、次の様な患者さんにお勧めしています。色のついた鼻汁があり、レントゲン上明らかな炎症の影が上顎洞にある方で、早く治したい方、薬が効かない方、長く薬を飲むのに抵抗のある方。また、ほっぺたの重い感じが続いている方、などです。特にほっぺたの重い感じが続いている方にはお勧めしたい治療です。鼻から針を刺すことに強い恐怖心を抱かれる患者さんは多いのですが、実際にやると思ったより痛みは軽度だったとおっしゃる患者さんが多く、ほっぺたの重い感じが劇的に消失しますのでとても爽快になります。私自身がこの治療を以前受け、これほど気持ちのいい体験をしたことは前にも後にもありません。一度洗浄を行うだけで、上顎洞炎の症状が消失することもよくあります。私の場合は、どす黒い血液がたくさん出て悪性疾患も疑われたので手術となりました。 洗浄を行った当日は、飲酒、運動、入浴はできません。 上顎洞洗浄のみの費用は3割負担でも500円程度です。 サイノジェクト sinoject について サイノジェクトは副鼻腔(上顎洞)の穿刺洗浄が簡単かつ安全に行える最新器具です。チューブの留置は穿刺時に瞬間に済むため、不快感が大いに軽減されます。チューブを鼻の中に留置することにより繰り返し洗浄できますので、麻酔や穿刺を何度も繰り返す必要がなくなります。一回目の洗浄時の排液の状態などにより、どのくらいの頻度で洗浄したほうがよいのか御相談します。膿が多い場合や不快感が強い場合などは頻回に洗浄することをお勧めします。チューブ内が分泌物により詰まることがありますので、1週間以内には次の洗浄を行うことをお勧めいたします。排液がきれいになったらチューブを抜去します。 慢性副鼻腔炎に苦しんでおられる方に対して、薬による治療が無効な場合に手術を回避できる可能性のある治療法です。いくつかある副鼻腔のうち、直接的には上顎洞にのみ有効な治療法ですので、実施前にはレントゲンで病巣の確認を行う必要があります。通常の上顎洞洗浄の針と比べて若干針が太いために、患者さんの鼻の構造により実施できない場合があります。原則的に急性副鼻腔炎の方にはお勧めしていません。 1回目の洗浄当日は、飲酒、運動、入浴はできません。 健康保険内の治療です。1回目の穿刺洗浄は1550円、2回目以降の洗浄は200円の自己負担金となります。 器具を見たい方は サイノジェクト をクリックしてください。 サイノジェクトを含めた上顎洞洗浄は院長が担当します。当日の担当医をご確認のうえスタッフにお伝えください。レントゲンは、当院と同じ階にあります北綾瀬クリニックを受診していただく必要があります。 |