高山病

高山病の予防と治療


高山病とは
登山などの高地において、体はその高地環境に順応しようと様々な変化を起こします。高地環境に順応できずに頭痛などの症状が出た状況を「高山病」といいます。2500m以上の高所で発症することが多いです。多くは2~5日で軽快しますが、一部では頭痛や呼吸困難が重症化します。

症状
新しい高度に達した後6~12時間で発症します。主な症状として頭痛がほぼ必発です。かつ、食欲不振、吐気、嘔吐、疲労感、全身倦怠感、めまい、もうろう感、睡眠障害などのいずれかを伴います。

診断
レイクルイーズスコア(Lake Louise Score)(別紙)で診断します。



危険因子
 肥満、喫煙習慣、運動習慣の不足、50歳未満、到達高度が高い、高地への到達速度が速い、アルコール摂取、睡眠薬の使用

予防
 ゆっくりと登る
 低酸素室や富士山などの自然観環境を利用した高地順応トレーニング
 アセタゾラミド(ダイアモックス®)朝1回、夕1回 1回125mg(1/2錠)
 高地に行く前日から4日間内服

治療
 高度を上げないこと(駐留)
 低い高度への移動・搬送
 酸素吸入
 アセタゾラミド(ダイアモックス®)朝1回、夕1回 1回250mg(1錠)
 発症してから内服開始し高度を下げることを検討


高山病かな、と思ったら
注意深く自分自身を観察します。チェックシートを利用しましょう。軽い頭痛程度なら、アセトアミノフェンやブルフェンなどの鎮痛剤を服用する程度で済みます。注意して行動を継続します。頭痛に他の症状が加わる場合はダイアモックス®(250mg)を1日朝夕1錠ずつ服用すると効果的です。ダイアモックス®は脳の呼吸中枢を刺激する作用があり、低酸素で「眠ってしまった」脳を刺激し酸素の取り込みを増やします。症状が消えても1-2 日間は継続して服薬します。
以前のトレッキングで高山病に悩まされたことのある方、やむを得ずゆっくりした日程が取れない場合(レスキュー活動の場合や飛行機やヘリで一気に4000m 近くに到達する場合など)は、高地に行く前日の朝からダイアモックス®(125mg)を予防的に服薬しても構いません。脱水を防ぐために適切な摂水は大切です。症状があるうちは新しく高度を稼ぐことは禁物、休養を兼ねて停滞です。3500m を越え、症状がかなりきつく、とくにそれが高齢者の場合は酸素の使用や高度を下げることを躊躇しないようにしましょう。

ダイアモックス®を内服しても高山病が悪化した場合
高度を下げることを検討してください。

出典 日本登山医学会高山病と関連疾患の診療ガイドライン作成委員会. 高山病と関連疾患の診療ガイドライン. P1-12, 2017